夏至なのに日の出が一番早くないのはなぜ?日の入り・冬至とのずれを解説

初夏の田園に昇る朝日と手前のアナログ時計(イメージ画像) 日の出・日の入りの基礎知識

「夏至は一年で昼が一番長い日」と聞くと、日の出も一年で最も早いはずだと思うかもしれません。ところが、日本では一般に日の出が最も早い日は夏至より前、日の入りが最も遅い日は夏至より後になります。

なぜ、同じ日に揃わないのでしょうか。鍵になるのは「昼の長さ」と「太陽が南中する時刻」を分けて考えることです。

夏至が意味するのは「昼が最も長いこと」

北半球の夏至のころは、太陽が一年の中で高い位置を通り、日の出から日の入りまでの時間が長くなります。日本でも、夏至の前後が昼の長さのピークです。

ここで混同しやすいのが、次の3つの違いです。

  • 日の出が最も早い日: 朝、太陽が一年で最も早い時刻に昇る日
  • 日の入りが最も遅い日: 夕方、太陽が一年で最も遅い時刻に沈む日
  • 昼が最も長い日: 日の出から日の入りまでの時間が最も長い日

昼の長さは、日の入り時刻から日の出時刻までの差として考えられます。しかし、両方の時刻が同じ方向へ少しずつ移動すると、昼の長さが最大になる日と、朝夕それぞれの極値の日は一致しません。

日本ではどれくらいずれる?

国立天文台によると、日本ではおおむね次のような関係です。

現象 夏至・冬至との関係の目安
一年で日の出が最も早い日 夏至より約1週間前
一年で日の入りが最も遅い日 夏至より約1週間後
一年で日の入りが最も早い日 冬至より約半月前
一年で日の出が最も遅い日 冬至より約半月後

これらは日本での概ねの傾向です。正確な日付は年や観測地点によって変わり、時刻を分単位で表示すると同じ最早・最遅時刻の日が複数日続くこともあります。

ずれの理由は「南中時刻」が一定ではないこと

南中とは、太陽がその日の空で最も高い位置を通ることです。その時刻は、必ずしも時計の12:00ではなく、一年を通して少しずつ変わります。

その主な理由は、地球の自転軸が傾いていることと、地球の公転軌道が楕円であることです。地球から見た太陽の動きが時計の時刻に対して毎日同じとは限らないため、南中時刻も変化します。

日の出と日の入りは、おおよそ南中時刻を中心として前後に分かれています。南中時刻が遅い方向へ動くと、昼の長さの変化とは別に、日の出・日の入りの両方が遅い方向へずれる効果が生まれます。この二つが組み合わさるため、夏至の日に「最も早い日の出」と「最も遅い日の入り」が同時に起こらないのです。

数字で考えるとわかりやすい

次の時刻は仕組みを説明するための架空の例です。特定の市区町村の実測値や予測値ではありません。

日 日の出 日の入り 昼の長さ
A日 4:25 19:00 14時間35分
翌日 4:26 19:02 14時間36分

翌日は日の出が1分遅くなっています。しかし日の入りは2分遅くなったため、昼の長さは逆に1分伸びています。

つまり、朝が少し遅くなり始めても、昼の長さはまだ伸びることがあるわけです。これが、夏至前後のずれを考えるヒントになります。

日の出MAPで季節の変化を観察する方法

日の出MAPでは、市区町村ごとに日の出・日の入り時刻、昼の長さ、7日間の変化を確認できます。月間データの表示があるページでは、その月の日ごとの動きも比べられます。

例えば6月の夏至前後なら、日の出がほとんど動かなくなる時期と、日の入りが遅くなり続ける時期を見比べてみてください。12月の冬至前後にも似たずれが見られます。

時刻表は自治体の代表地点に基づく計算値で、山や建物に遮られた場所で実際に太陽が見える時刻を保証するものではありません。

まとめ

夏至は「昼が最も長い時期」を示しますが、日の出が最も早い日・日の入りが最も遅い日は、その前後へずれます。原因は、昼の長さの季節変化に加え、太陽の南中時刻が年間を通して動くためです。日の出と日の入りを別々に眺めると、季節の変化をより詳しく読み取れます。

参考資料: 国立天文台「1年のうちで、日の出、日の入が一番早い日(遅い日)はいつ?」